8月に入ると、木々の青さがいっそう深まった。セミの声が頭蓋を揺さぶる。
この時期のターゲットはキビタキだ。冬のルリビタキと対をなす小鳥である。
さて、囀りはしきりに聴こえるものの、声の主の姿は一向に見つからない。
林の中は梢の向うを見通せないほどに繁り、湿気を帯びた空気が匂いと一緒に体に
纏いつく。額から汗がしたたり、目に入りこむ。
それでも、鳥を求めて進むこと暫し。やがて・・・登山道でヒモらしきものを発見。
ヒモか何かと思ったその物体をよく視る。
・・・ヘビだ!
じつは小生、幼少から爬虫類が大好きである。ただヒラクチではないことを瞬時に
見分けた。林の中でよくみかけるヒバカリである。このヒバカリ、かつては毒蛇
として誤解されていた時があるそうだ。「咬まれたらその(日ばかり)の命」が、
名前の由来だとか。もちろん無毒だが、必要以上にいぢめたり追い回したりしない
ことが大切である。
それにしても動かない。誰かに踏まれたか?ケガでもしているのか?
小生の顔がすぐそばまで迫っているのにも関わらず、逃げようとしない。
まて・・どこに焦点が合ってるか分からない目をしていたので、この子は寝ていたの
だろう。ヘビにはマブタがないので寝ている時も目を瞑ったりはしない。
なお、自転車はこのようにヘビのうたた寝さえも邪魔をすることなく進むことが
できる。
頭上だけではなく、時には足元にも目を配ると良いものが見つかるものだ・・・