442年ぶりと言う1時間半の天体ショウは、時間の経つのもアッと言う間だった。
満月がじわじわ蔭り、欠けてゆく・・・まさに地球の影が月に写り込んでいる。
何とスケールの大きいことか。
撮影は三脚にカメラを設えてバルブで行った。うまいこと月の周りに星も写ったが、
生憎どれが天王星かは分からず仕舞いだ。
8倍のスコープで覗けばその立体感から、ぽっかりと天空に球体が浮かんでいる
ことを改めて認識できた。
また、良い感じに輝度が落ちたおかげで、「海」と呼ばれる場所が鮮明に見える。
明るい部分は陸・・?これがはるか遠い昔、地球と別れた兄弟か。
冷えも気にならず覗くことしばし。
そうだ、初めて買ったスコープ(パピリオⅡ)で月を観た時も、こんなふうに
えらく感激したものだった。
澄んだ夜空こそ「すばる」がとても美しい。6人の兄弟のようにまとまっている。
古の歌人も詠むほどに形のよい星団だ。
すぐ下にはおうし座の中心となる星、アルデバランを囲むようにヒアデス星団が
控える。こちらも豪華な宝石箱のようで実に美しい。
ショウも終わり、何事も無かったかのように満月が輝いている。近くの公園から
寝とぼけたヒヨが声を漏らした。さあ、私も寝るとしようか。